だれぞ だれぞ 其処にいるのはだれぞ
それはいつも眠りに付くと聞く不思議な声。
だが今日は違った。
地の底から這い上がってくる様な恐ろしい声。
・・・・・・・・に・・・・
・・・こ・・・っ・・・・・・・で
こっちに・・・おい・・・で
薄暗い闇の中誰かがおぼろげに呼ぶ声が聞こえる。
次第にはっきりとした声になり・・・・・・
紅姫
私を呼ぶ。この声に答えてはいけない。それは直感だった。
この声に答えれば、私は私じゃなくなってしまう気がした。
あるいは、私の大事なものを奪われる。
こっちに・・・・お・・いで・・・紅姫・・・・
紅姫・・・おいで紅姫・・・